面接の質問には必ず「なぜその質問をしたのか」という意図が存在します。海外ならではの質問や意図が存在し、それを理解することで、どう答えると面接官の意図に答えたことになるのか考えて対策できます。
そこで、海外面接でよく聞かれる質問6つにフォーカスし、質問の意図とどう回答したらよいか、そして例文をご説明します。これから面接がある方も、海外転職検討の段階の方も是非参考にしてください。
目次
「なぜその国で働きたいのですか」
1.質問の意図
企業様は「候補者が現地で馴染んで生活していけるか」を気にかけています。それは、食事や住環境、現地で働く人の気質などの生活水準が合わない、という理由で早期退職する人がいるからです。企業様としては、せっかく採用した方がすぐに辞めてしまうと、コストも時間も無駄になり、また採用活動をやり直さなくてはなりません。企業様は面接でこのような不安を払しょくするために「なぜその国なのか」を尋ねます。
2.どう回答したらよいか
現地との関わりと合わせて回答しましょう。
●現地に行ったことがある
・現地で就労・出張したことがある場合
どれぐらいの期間、現地で働いている人とどう関わっていたかを交えて話すことで、スムーズに現地で働ける人だという安心感を持ってもらいます。さらに、現地で働くご自身のメリットや魅力を説明しましょう。
・一時的に現地で滞在がある場合
何の目的で現地に行ったのか(旅行・親の就労など)、どれぐらいの期間留まっていたのか交えて話すことで、現地を知っている人だと認識していただきます。その上で、現地で生活・就労したいと思わせたエピソードや感じた魅力、メリットを説明しましょう。
●現地に行ったことがない場合
これまでに現地と関わりがない場合、企業様の立場としては「行ったことのない国でいきなり仕事ができるのか」を懸念します。そのため、企業様を安心させるように伝え方を工夫しなくてはなりません。
「〇〇に足を運んだことはないのですが、…」と前置きし、現地の情報や代わりとなる経験、意欲を話しましょう。
・就労したい国で働くメリットや何を経験したいかを探す
まず、希望国を訪れたことがない場合は、必ず現地の以下の情報は最低限頭に入れておきましょう。面接時、「現地の生活は大丈夫ですか?」「現地の水事情はご存知ですか?」などと聞かれる可能性があります。
・食文化
・住環境
・交通手段
・物価
・トイレやお風呂、
飲料水などの水回り状況
・経済
・日本との関わり
・主要の地名
その上で、ご自身がその国で働くことで得られると考える経験を、根拠づけて説明します。
・「異文化になじめる柔軟性」のエピソードを探す
例えば、
・バックパッカーで希望勤務地よりも過酷な国で長期間滞在した経験
・留学や海外インターン先の経験(勤務先国周辺であればなお良し)
・ホームステイで現地の生活になじむ努力をした経験
上記を用いて、おそらく現地での生活に支障がないと考えていることに触れます。
・就業前に会社見学と現地生活の様子の確認をする意思がある旨伝えましょう
一度も現地に行ったことのない人は、企業様から最終面接時に現地で面接を行い、現地の生活と職場を見た上でどうするか決めることを勧められます。現地へ1度は足を運ぶつもりがある場合、早い段階でその旨を伝えることで意欲があると判断されます。
3.例文
例)私は前職で〇〇(国名)の〇〇(地名)にて3年間駐在員として勤務しておりました。その際、現地の方々のマネジメントをしており、彼らの素直で前向きな仕事への姿勢に好感を抱き、同時にやりがいを感じておりました。今一度、現地の方々と共に仕事し指導していくことで、やりがいと〇〇(国名)の経済発展に貢献したいと思い、〇〇(国名)での勤務を希望しております。
例)〇〇に足を運んだことはないのですが、現在〇〇で仕事をしている友人から、「〇〇で働いていると任せてもらえる仕事が多く、色々な経験を積むことができる」と聞きました。私は予てから職種に拘らず業務全般の知識を得たいと考えており、〇〇で働くことで自身を成長させることができるのではと思い、就労を希望しています。バックパッカーとして△△で半年生活したことがあるため〇〇でも問題なく生活できると考えておりますが、選考中に一度は現地を訪れ、生活環境等確認するつもりでおります。
「なぜ弊社を志望していますか(志望理由)」
1.質問の意図
国内転職と同様、志望理由がふんわりしていると、企業様に興味を持っていただくことが難しくなります。ただ、「海外で働きたいだけ」という印象を与えてしまわないよう、気をつけなければなりません。
2.どう答えたらよいか
志望理由を考える前に、まずは企業様のことをしっかりと調べましょう。
●ホームページ(本社・拠点)を確認する
会社概要 … 会社の取り組み事業や規模、拠点数などの確認
取扱商品やサービス … 入社後取り扱う商品・価格帯の確認
企業理念・経営方針 … 同意できる内容か、志望理由となりえるか、社風はどうか
Facebook・TwitterなどのSNS投稿 … 直近の取り組みやSNS活用状況の確認
日本本社と現地の役割を確認
●求人票を確認する
会社概要 … 現地拠点の会社概要を確認、本社と異なる場合がある
職務内容 … 実際の業務内容、働くイメージの確認
募集要件 … 企業様の求める人物像が具体的にわかる部分
上記を調べた上で企業様のどの点に魅力を感じているのか整理し、志望理由を考えます。
その際、「これまでの経験をどう活かせるのか」や「なぜ転職したくてこの企業でそれがどう叶うのか」にも触れる事で即戦力性や長期的に働ける人材であるアピールもする事ができます。
3.例文
例)御社は〇〇という企業理念のもと経済活動をし、〇〇(国名)に対してもボランティア活動を率先して行っていることをホームページやSNSで拝見しました。その点に共感し、そのような理念を持つ会社で勤めたいと思い志望しました。また、私の現職で取り扱っている商材と御社の取り扱っている商材が似ており、自身の知識と経験を活かし、御社に貢献できると考えたのも志望理由のひとつです。
「大変だった体験とその解決方法は」
1.質問の意図
国内就労と決定的に違う海外就労の特徴は、日本人が少なく、共に働くのが現地で生活する人々だという点です。中には、日本人が1人、という会社もあります。そのような環境下で採用する人には以下のような資質が求められます。
●思考力があり自立して業務を進めることができる
日本人が少ないがゆえに、誰かの指示を仰ぐ、というのが難しかったり、すぐに答えが返ってこなかったり、という環境である可能性があります。そのため、ある程度ご自身で考え行動する力を持っていることが求められます。
●異文化を理解し、柔軟に対応できる
現地で生活してみるとわかることですが、仕事に対する常識や考え方が日本とは異なります。現地で仕事をさせてもらっているという考え方を忘れずに、相手に合わせたり、譲歩したりする、時には力の抜き差しする、柔軟な考え方を持っていることが求められます。
●ストレス耐性がある
日本人がおらず、なかなか相談できない環境や、裁量がある分、責任を伴う仕事のため、それをストレスに感じることがあります。その際、ストレスを自己処理できる、ストレスとうまく付き合える人が求められます。
2.どう回答したらいいか
上記のような資質を発揮した体験で、かつ苦難に直面しそれを乗り越えたエピソードを話しましょう。
3.例文
例)私は前職でプロジェクトマネージャーとして海外案件を任されていました。その際メンバーに日本人は私しかおらず、客先担当者も現地の方でした。母国語でない英語で社内外のやりとりをしなければならない中、期日の考え方や、作業進捗の報告等で意思疎通が難しく、調整に苦労しました。その際、どう伝え方を工夫すれば相手にわかってもらえるか、進捗確認をどの頻度でするべきかなど、失敗を通じ常に調整することでプロジェクトを成功させることができました。
「5年後にはどうなっていたいですか」
1.質問の意図
企業様は長く勤めてくれそうかという点を気にしています。また、候補者の希望キャリアが自社で叶えることができるのか、も事前に確認する必要があると考えていらっしゃいます。
2.どう回答したらよいか
キャリアビジョンがどうなっているかを求人票で確認しましょう。求人票に記載がない場合は、事前にエージェントにご相談ください。マネジメントかスペシャリスト、どう進んでいきたいかを伝えます。
期間に関しては、特に帰国の予定がない場合は、現地で勤め続けるつもりでビジョンを話すとよいでしょう。
3.例文
御社のキャリアビジョンとして、マネジメントに進む道があると伺いました。5年後までには現地の〇〇語をマスターし、現地社員のマネジメントし売り上げに貢献したいと考えています。
「スキルをどれぐらい持っているか」
1.質問の意図
スキル保持が必須の求人は、指導する人がいないため自力で業務をこなしてほしい、もしくは、現地社員を育成してほしいという思惑がある可能性があります。
2.どう回答したらよいか
業種職種によって様々ですが、スキルについては履歴書・職務経歴書に記載があるため、再確認と「〇〇はできるか」と詳細を尋ねられます。仮に、経験のないものが聞かれた場合は、勉強する意思があることや似た経験がある旨を伝えましょう。
3.例文
例)プロジェクトマネージャーの経験が〇年あります。主に金融関連のシステム開発に携わっていました。プロジェクトの際は、Java・C++をメインで使用し、実際にエンジニアとしての経験も6年あります。外国人エンジニアのマネジメント経験もあり、平均20名を動員したプロジェクトを管理していました。
「質問はありますか?」
1.質問の意図
単純に質問がないか、を聞いているのと同時に、入社意欲や会社に対して興味を持っているかを確認している可能性があります。事前に質問を準備しておきましょう。
2.どう回答したらよいか
なんでも質問してもよいというわけではありません。中には直接質問するのを避けたほうがよいものもあります。例えば、「残業はどれぐらいですか?」「有休はとりやすいですか?」など、マイナスに受け取られてしまう可能性があるものは、直接質問をせず、面接終了後エージェントを通じて尋ねましょう。
3.例文
例)一日のスケジュールのイメージを教えてください
例)良い実績を収めている社員はどのような人ですか?
例)職場の雰囲気はどうですか?
例)もし内定をいただけた場合、事前に勉強しておくことや読んでおいたほうがいい本などはありますか?
<まとめ>
事前にどうこたえるかを準備しよう!
事前に回答のイメージを持っておくことで、矛盾なく根拠づけて答えることができます。また、海外ならではの、突然だと答えにくい質問にも落ち着いて対応可能です。まずは、どんな質問がされるかを事前に把握しましょう。
弊社では面接対策を行っております。回答が企業様にふさわしいか、質問してもよい内容かを事前に確認できるため、安心して面接に挑めます。面接後、聞きにくい質問を弊社で確認したり、伝え漏れや言い直しを代わりにお伝えしたりすることも可能です。
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