インドの医療機関と注意点


1990年には死亡要因の半分強を占めていた「感染症」が、2019年には25.0%まで減少しているという状況があり、 先進国の疾病構造(非感染性疾患の割合が大きい)に近づいてきているそうですが、他の先進国と比較すると依然として「感染症」の割合が大きい国となります。

 

日本人が比較的多く住む場所であるデリーグルガオン、バンガロール、チェンナイ、ムンバイの生活の質も以前に比べると大分上がってきていますが、まだまだ日常生活を行う上で、様々な注意が必要です。

 

インドの医療機関事情

インド政府が運営する公的医療機関はインドに住んでいる人誰でも無料で治療が受けることが可能です。しかし日本人を含め外国人は、より清潔な民間医療機関を受診するのが一般的となっています。民間医療機関はインド全体の病院数の75%を占め、規模の大きな民間病院は大都市での高次医療を中心に展開しておりますが、近年は人口の少ない都市や高次医療ではない2次医療等にも積極的に進出しており、インドのどこに住んでいても民間病院の受診が可能であることが多いです。

 

また、大きな私立病院では、外国人用窓口を設けているところが多くあったり、サービスカウンターで英語にて丁寧に教えてくれることが多いので、初受診であっても安心することが多く、ナースの中には英語が凄く堪能でない方もおりますが、ドクターたちは英語を含め複数言語利用可能であることが多いです。

以下にて一部外国人がよく利用する病院をご紹介いたします。インド全国に支店があります。

 

Apollo病院 https://www.apollohospitals.com/

Fortis 病院 https://www.fortishealthcare.com/

Max病院 https://www.maxhealthcare.in/

Workhard病院 https://www.wockhardthospitals.com/

Rainbow 子供病院 https://www.rainbowhospitals.in/

 

~日本語ヘルプデスクがある病院・クリニック~

Rainbow子供病院 in デリー

https://www.rainbowhospitals.in/our-centre/delhi/malviya-nagar

Fortis病院 in グルガオン

https://www.fortishealthcare.com/location/fortis-memorial-research-institute-gurgaon

ヒラナンダニ病院 in ムンバイ

https://www.hiranandanihospital.org/           

GEM病院 in チェンナイ

https://robotic.gemhospitals.com/

桜ワールドホスピタル in バンガロール

https://www.sakraworldhospital.com/

 

ただし、大きな病院は複数科を持ち患者数もとても多いので、待ち時間が長い傾向がありますので、症状が具体的で受診科の検討がついているのであればそれに合った小中規模の病院やクリニックを訪れた方が早く診察してくれる可能性が高いです。そういった場所はクリニックはドクターとの距離も近いことが多いので、何回も通うようになればドクターや担当ナースさんの個人番号をもらうこともあり、緊急事態に直接連絡したりすることも可能になる場合があります。

 

病院選びはGoogleレビューなどで確認し評価が良いところであれば、比較的間違いありません。

 

※入院されることになる際は食事メニューの話を事前に行った方が良いです。日本の様に一人一人に合った病人食が出されるわけではなく、消化に良いものなどが出されるわけでもなく、大抵辛いインド料理が出ますので、病気になり弱った時にはとても辛いです。

 

病院受診方法

病院での受診方法ですが、日本とインドでは流れが異なるので注意が必要です。

・診療記録は患者に毎回渡され、自分自身で自宅にてファイルを保管する

・検査結果は各自で取りに行き、自分から医者に提示する

※受診都度会計額も確認されることもお勧めします。

 

メリットとしては日本のようにもともとかかっていた病院やドクターへ紹介状を依頼しなくても、良い病院を見つけたら何も言わなくても新しい病院へ通い始めることが気軽にでき、血液検査などの検査で外部機関の価格が安ければそちらで行い、担当ドクターに提示が可能です。

また、ドクターからの紹介や既存患者の知り合いから紹介してもらったなどがある場合、治療費を少しだけ割引してもらえることも時々あります。

 

医療保険加入を推奨

私立病院では医療費が高額となるため、事前に現地医療保険や海外医療保険に加入することが推奨されます。

現地医療保険の場合保険会社と提携している病院であれば患者側の支払いなく病院が直接請求してくれることがあります。もしくは患者が建て替え、あとから請求するという形となります。

海外医療保険加入時はインドにてどのような医療サポートが行われるか、建替支払いが必要か等事前に保険内容を確認してください。

 

注意すべき病気

・蚊や動物を媒介とする感染する病気

 デング熱、マラリア、日本脳炎など

 とくに、デング熱は予防薬や特効薬がないため、蚊に刺されないよう対策をとることが重要となります。デング熱が流行る時期が毎年ありますので、ニュースなどをチェックすることもおすすめです。

 

・食べ物、飲み物からの感染する病気

 A型肝炎、E型肝炎、消化器感染症(下痢、嘔吐、腹痛などの症状)

 

・その他の感染症

 結核、狂犬病など

 

日常生活で行える対策

・蚊への対策

 皮膚の露出を避ける(長袖、長ズボン)

 虫除けスプレーの使用

 網戸の設置が出来ない場合には、蚊帳を使用する

 殺虫スプレーや蚊取り線香などの利用する

 ※インドにも蚊対策グッツ(「オードモス」というクリームやスプレーが一番有名です)は様々ありますが、日本人が日本から持ってくる商品 で人気なのが「おすだけベープ」「どこでもベープ」というアイテムです。

 

・食中毒への対策

 水道水は飲まない こちらをご覧ください https://www.rgf-hragent.asia/india/help_mizujijyo

 不衛生なストリートフード店やレストランでの食事はしない

 火の通りが不完全なものは食べない

 家庭では、野菜や果物はよく洗い、野菜や肉には良く火を通す

 

・紫外線への対策

 インドの紫外線は日本よりも強く、室内であっても注意が必要です。

 日焼け止めを塗る、肌の露出を避けるなど対策を行ってください。

 

・大気汚染への対策

 自動車の排気ガスやお祭りに使用される大量の花火などの影響から、大気汚染が深刻です。(10月末~1月上旬辺りが一番深刻です)

 不要不急の外出を控える

 外出時に規格を満たしたマスクの着用

 室内では空気清浄機を使用

 pm2.5などの汚染度が分かる大気質を確認

 帰宅時には、うがい手洗いを行う

 (うがいの際はミネラルウォーターを利用することをお勧めします)

 

健康診断

会社により近隣諸国や日本での実施をサポートしていただける場合もありますが、インド国内にも健康診断実施可能な機関が複数あります。

上記で紹介したApollo病院、Fortis病院、Max病院でも提供をしており他の小中病院・クリニックにてもパッケージで受信が可能です。日系だとFujifilm社ががん検診を中心とした健診センター「Nura」をベンガルール、グルグラム、ムンバイ、ハイデラバードにオープンしており、多くの日本人が検診を受けています。

https://nura.in/

 

上記の記事は、取材時点(20251月)の情報を元に作成しております。

現在の現地事情とは、記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承下さい。

 


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